糖尿病とは?
糖尿病について「かんたん」にまとめました。
介護福祉士国家試験では頻出の「糖尿病」。
一体どんな病気なのか、解説していきます。
糖尿病とは?
糖尿病とは、 高血糖が慢性的に続く病気です。
インスリンというホルモンの不足などが原因によるもので血糖値の上昇を抑える働きが低下してしまうためにおこります。
血液中の糖が尿にあふれ出て、甘い匂いがすることから、「糖尿病」という名前になっています。
種類がある?
糖尿病には1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、その他、があり、多くは2型です。
1型 | 2型 | |
発症年齢 | 若者 | 成人~高齢者 |
発症 | 急激 | 緩やか |
インスリン | 欠乏 | 不足 |
治療 | インスリン注射 | ①食事・運動療法 ②血糖降下薬 |
糖尿病の疑い、疑いを否定できない方を合わせ
成人の6人に1人、約1870万人いるといわれています。
糖尿病の要因は?
遺伝型要因と、環境要因があり、特に2型では
環境要因で、 過食や運動不足などの生活習慣に起因するものが多い。
糖尿病の3大合併症とは?
糖尿病が進行すると、自覚症状のないまま合併症を引き起こします。
神経症、網膜症、腎症の合併を引き起こすします。
介護福祉士国家試験に挑戦
第30回 問題47より
糖尿病(diabetes mellitus)のある利用者の入浴時に,特に注意して観察すべき皮膚の部位として、適切なものを1つ選びなさい。

1.A
2.B
3.C
4.D
5.E
解答…5
合併症 | ポイント |
①神経症 | ・自律神経症状 ・末梢神経症状 |
②網膜症 | ・初期は無症状 ・中途失明の危険 |
③腎症 | ・人工透析導入の危険 |
また、長い時間をかけて血管を傷つけていく為、動脈硬化を引き起こし、脳卒中、虚血性心疾患などの心血管疾患の発症リスクも高まってしまいます。
神経症

末梢神経を障害します。
手足がしびれたり、痛みの感覚が鈍くなり
ケガをしても痛みを感じないため、気がつくのが遅れます。
そのため、感染症を引き起こし、悪化すると壊疽になりやすく、場合によっては足の切断をよぎなくされます。
介護福祉士国家試験に再挑戦
第30回 問題47より
糖尿病(diabetes mellitus)のある利用者の入浴時に,特に注意して観察すべき皮膚の部位として、適切なものを1つ選びなさい。

1.A
2.B
3.C
4.D
5.E
解答…5
抹消神経の障害により、足先のケガに気付いていない可能性があります。
感染症により壊疽してしまう可能性があるので、手足の先に特に注意する必要があります。
網膜症
- 網膜の毛細血管を傷つける。
- 最終的には失明にいたる。
- 網膜症は、日本人の失明原因の第2位。
- 早期発見であればすぐに失明してしまうわけではない。
腎症

- 腎臓の糸球体という毛細血管を傷つける。
- 最終的には腎不全になり、人工透析が必要になる。
- 進行すると、水分制限など、多くの生活制限が出てくる。
- 人工透析の原因は糖尿病腎症が最も多い。
糖尿病の治療
糖尿病の治療は、食事療法と運動療法が基本。
しかし、食事療法と運動療法でも、良好な血糖コントロールが実現できないことがあります。
合併症の発症や進行を抑えるために、薬物療法を開始します。
- 運動療法
- 食事療法
- インスリン療法
- 服薬療法
介護福祉士国家試験に挑戦
第30回 問題102より
Dさん(75歳・女性)は、介護老院福祉施設に入所している。糖尿病(diabetes mellitus)があり、インスリン療法を受けている。2日前から風邪をひいて、食事量が普段の半分程度に減っていたが、医師の指示どおりインスリン注射を継続していた。介護福祉職が調書億をDさんに渡したところ、顔色が悪く、「胸がどきどきして、ふわふわする」と話し、額には汗が見られた。
考えられるDさんの状態として、ただちに医療職に相談しなければならないものを1つ選びなさい。
1 発熱
2 脱水
3 低血糖
4 貧血
5 意識障害
解答…5
介護福祉士国家試験に挑戦
第29回 問題76より
Aさん(79歳、女性)は、介護老人福祉施設で生活している。糖尿病(diabetes mellitus)でインスリン治療が必要で、1日に一度、昼食後に自己注射をしていて、併せて毎食直前に血糖を下げる薬を内服している。医師からは血糖のコントロール状態は良好であると言われている。ある日、Aさんの医療機関の受診が長びいた。B介護福祉職が、Aさんに遅めの昼食をとってもらう準備をしていると、Aさんが「頭がふらふらする」と訴えた。冷や汗もかいているようである。B介護福祉職によるAさんへの対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 昼食をとらずに、すぐにベッドで休んでもらう。
2 昼食前の内服薬をすぐに飲んでもらう。
3 すぐに看護師に血糖を測定してもらう。
4 すぐにインスリン(insulin)を自己注射してもらう。
5 様子を見る。
低血糖ってなに?

通常、血糖値は100mg/dL前後を維持しています。(約70-140 mg/dLの間)
しかし、糖尿病患者さんは、一定の量を保てません。
高血糖を押さえるための薬が効きすぎたり、食事をしない時間が長くなったりして、低血糖を引き起こします。
低血糖の症状
意識障害や昏睡を引き起こすことがある。
心疾患や、認知機能低下を起こしやすくなる。

介護福祉士国家試験に再挑戦
第30回 問題102より
Dさん(75歳・女性)は、介護老院福祉施設に入所している。
糖尿病(diabetes mellitus)があり、インスリン療法を受けている。2日前から風邪をひいて、食事量が普段の半分程度に減っていたが、医師の指示どおりインスリン注射を継続していた。介護福祉職が調書億をDさんに渡したところ、顔色が悪く、「胸がどきどきして、ふわふわする」と話し、額には汗が見られた。
考えられるDさんの状態として、ただちに医療職に相談しなければならないものを1つ選びなさい。
1 発熱
2 脱水
3 低血糖
4 貧血
5 意識障害
解答…3
低血糖への対処
低血糖の症状を感じたらすぐに、ブドウ糖を10g、あるいは砂糖20gをとるか、同等の糖分を含む市販飲料を飲む。
低血糖はいつ、どこで起こるかわからないので、ブドウ糖をつねに携帯しておくことが大切です。
家族や周りのひとにも、低血糖の症状や、対処法を知ってもらいましょう。
問題の分解・整理
問題を分解し、整理していきましょう。
Aさん(79歳、女性)は、介護老人福祉施設で生活している。糖尿病(diabetes mellitus)でインスリン治療が必要で、1日に一度、昼食後に自己注射をしていて、併せて毎食直前に血糖を下げる薬を内服している。医師からは血糖のコントロール状態は良好であると言われている。ある日、Aさんの医療機関の受診が長びいた。B介護福祉職が、Aさんに遅めの昼食をとってもらう準備をしていると、Aさんが「頭がふらふらする」と訴えた。冷や汗もかいているようである。B介護福祉職によるAさんへの対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 昼食をとらずに、すぐにベッドで休んでもらう。
2 昼食前の内服薬をすぐに飲んでもらう。
3 すぐに看護師に血糖を測定してもらう。
4 すぐにインスリン(insulin)を自己注射してもらう。
5 様子を見る。
- 糖尿病(diabetes mellitus)でインスリン治療が必要
- 1日に一度、昼食後に自己注射
- 毎食直前に血糖を下げる薬を内服
- 医師からは血糖のコントロール状態は良好であると言われている
- ある日、Aさんの医療機関の受診が長びいた。
- 遅めの昼食をとってもらう準備
- Aさんが「頭がふらふらする」と訴えた
- 冷や汗もかいている
上記の事から、食事を召し上がるまでの感覚が長くなり、低血糖を起こしている可能性が高いと判断できますので、食事を摂らないは不適切です。
しかし、血糖コントロール状態が良好であることからも、低血糖と断定はできません。
そのため、インスリンの自己注射や、服薬をすぐに促すのは適切ではないです。
まずは、「看護師に報告し、血糖値を測定してもらう」が適切です。
糖尿病の早期発見と予防
早期発見
自覚症状に乏しい病気の為、発見が遅れてしまう可能性が高いです。
老人保健事業による基本健康診査、職域での定期健診、病院・診療所での健診等、様々な機会をもって行われているので、活用しましょう。
予防
糖尿病の発症危険因子は
1)加齢
2)家族歴
3)肥満
4)身体的活動の低下(運動不足)
5)耐糖能異常(血糖値の上昇)
すぐに取り組める発症予防は、生活習慣病改善です。
「肥満の回避」
「身体的活動の増加」
「適正な食事」
高血圧、高脂血症や、脳卒中・冠動脈疾患などの心血管疾患の予防対策にもなります。
記事の最後に(まとめ)
- 糖尿病とは、 高血糖が慢性的に続く病気。
- インスリン不足などが原因。
- 尿病には1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、その他、があり、多くは2型。
- 遺伝型要因と、環境要因がある。
- 過食や運動不足などの生活習慣に起因するものが多い。
- 進行すると、自覚症状のないまま合併症を引き起こす。
- 神経症、網膜症、腎症の3大合併を引き起こす。
- 脳卒中、虚血性心疾患などの心血管疾患の発症リスクも高まる。
- 手足の先に痛みを感じない為、ケガによる感染症に注意
- 腎不全による人工透析や、失明の危険性がある。
- 治療の基本は運動療法、食事療法。
- 運動、食事療法で血糖値が維持できなくなったら、インスリン療法、服薬療法を開始。
- 高血糖、低血糖を引き起こす。
- 低血糖では意識障害や昏睡の危険。
- すぐに取り組める予防は、生活習慣改善。
参考ページ
Novo Nordisk Pharma HP「糖尿病サイト」
厚生労働省HP「糖尿病」
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