高齢者に多い病気と日常生活での注意点「かんたんまとめ」②「脱水、低栄養、循環器」

高齢者に多い病気と日常生活での注意点かんたんまとめ①では「血圧、消化器、便秘、聴力」をまとめましたが、今回は「脱水、低栄養、循環器」をかんたんにまとめていきます。

目次
〇高齢者に多い疾病
・脱水
・低栄養
・循環器
-心筋梗塞
-意識障害
-動脈硬化
-狭心症
高血圧症
-閉塞性動脈硬化症(ASO)
・記事の最後に
・あわせて読みたい関連記事

高齢者に多い疾病

脱水

脱水
hozuさんによるイラストACからのイラスト 

まず、過去問に挑戦してみましょう。

介護福祉士国家試験

第17回 問題85より

脱水に関する次の記述のうち、適切でないものを選びなさい。

1 高齢者はのどの渇きに対する感覚が鈍くなり、脱水状態になっても気付かないことがある。
2 脱水の徴候のひとつとして、尿量の減少がある。
3 下痢は脱水の一因になるので、下痢の有無に留意する。
4 脱水の確認方法のひとつとして、腋下の湿り具合の観察がある。
5 3度の食事を摂っていれば、食事のとき以外に水分を摂らなくて良い。

高齢者の特徴

体内に水分が少なく、のどの渇きを感じにくいため、脱水になりやすい。
様子がいつもと違うときは*バイタルサインを確認する。

*バイタルサイン…体温、血圧、脈拍など

原因

  • 高血糖
  • 利尿剤
  • 胸水
  • 腹水
  • 消化管出血
  • 痰の増加
  • 下痢

症状

  • 口渇
  • 頭痛
  • 嘔気
  • 尿量減少
  • 体重減少
  • 起立性低血圧
  • 頻脈
  • 意識障害
  • けいれん

こまめな水分補給が重要です。

また、脱水の状態は熱中症になりやすいです。
熱中症対策記事はこちら→熱中症

再度問題に挑戦してみましょう。
上記のまとめを見ながらゆっくりでかまいません。

介護福祉士国家試験

第17回 問題85より

脱水に関する次の記述のうち、適切でないものを選びなさい。

1 高齢者はのどの渇きに対する感覚が鈍くなり、脱水状態になっても気付かないことがある。
2 脱水の徴候のひとつとして、尿量の減少がある。
3 下痢は脱水の一因になるので、下痢の有無に留意する。
4 脱水の確認方法のひとつとして、腋下の湿り具合の観察がある。
5 3度の食事を摂っていれば、食事のとき以外に水分を摂らなくて良い。

解答…5

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低栄養

ここで、過去問に挑戦してみましょう。

介護福祉士国家試験

第31回 問題46より

たんぱく質・エネルギー低栄養状態(PEM:Protein Energy Malnutrition)が疑われる状況として最も適切なものを1つ選びなさい。

1 要介護度が改善した。
2 1ヶ月に3%以上の体重減少があった。
3 体格指数(BMI)が25.0以上になった。
4 低血圧症状が現れた。
5 声が枯れるようになった。

今はわからなくて大丈夫です。まとめを見ていきましょう。

原因

たんぱく質カルシウム不足

指標

  • 体重
  • 血清アルブミン(3.5g/㎗以下)
  • BMI(18.5~20以下)
血清アルブミンとは
  • 血液中のタンパク質の一種
  • 栄養・代謝物質の運搬、浸透圧の維持の働き
BMIとは
  • 体重と身長の関係から肥満度を示す体格指数

再度問題に挑戦してみましょう。
上記のまとめを見ながらゆっくりでかまいません。

たんぱく質・エネルギー低栄養状態(PEM:Protein Energy Malnutrition)が疑われる状況として最も適切なものを1つ選びなさい。

1 要介護度が改善した。
2 1ヶ月に3%以上の体重減少があった。
3 体格指数(BMI)が25.0以上になった。
4 低血圧症状が現れた。
5 声が枯れるようになった。

解答…2

循環器

ここでは、循環器に関する疾病と特徴をかんたんな問題とともに、見ていきましょう。

チェック問題
丸の中の用語を答えてください。

1分間に心臓から押し出される血液量は約5~7ℓで、これを「〇〇〇〇」という。

特徴

運動時の最大*心拍量が低下する。

*心拍出量… 心収縮によって心臓から送り出される血液量のこと。
1分間に心臓から押し出される量は約5~7ℓ。

チェック問題
丸の中の用語を答えてください。

心臓は左胸部にあり、全身に血液を送り出す「〇〇〇」の働きをする。

心筋梗塞

冠動脈にある、動脈硬化によってできた粥腫が破れて血管をふさぐ

心筋が部分的に死んで、心臓のポンプ機能が低下する。

冠動脈
  • 心筋に酸素を送る動脈
  • 心臓を取り囲むようにして冠状に通っている

症状

前胸部の痛み、しめつけ感、呼吸困難
左肩から頸部へかけての鈍痛

意識障害

診断には心電図、心臓超音波検査、血液生化学検査が用いられる。

動脈硬化

動脈硬化性疾患

動脈にさまざまな異常が起こり、身体の組織や臓器全体に血行障害を起こす。

動脈の異常

硬化弾力性が失われ硬くなる
狭窄 血管の通り道が狭くなる
(内部にさまざまな物質が沈着 )
閉塞 血管が詰まる
動脈瘤 動脈壁がこぶのように拡張する
拡張症動脈全体が拡張する
解離内膜に亀裂が入り中膜が破ける
出血血管が破裂する

狭心症

  • 冠動脈が狭くなり、心筋が必要とする酸素が足りなくなる状態

原因…動脈硬化

症状…前胸部の圧迫感

発作時の対応…ニトロ製剤の舌下

いつ、どんなとき起こる?

類型きっかけいつ?
労作性心拍数の増加運動
異型冠動脈の攣縮(収縮)安静

チェック問題
丸の中の用語を答えてください。

心臓は左胸部にあり、全身に血液を送り出す「〇〇〇」の働きをする。

解答…ポンプ

高血圧症

血圧

本態性高血圧
原因がはっきりしていないもの
(高齢者に多い

二次性高血圧
原因がはっきりしているもの
(高齢者には少ない

降圧目標(治療目標)

収縮期血圧拡張期血圧
若年、中年
前期高齢者
140mmHg未満90mmHg未満
後期高齢者150mmHg未満 90mmHg未満

高血圧症についてと、予防法についてまとめてありますのであわせて読んでいただけると、わかりやすいです。
高血圧症

閉塞性動脈硬化症(ASO)

動脈硬化が原因で、血管が狭くなり、血液が身体の抹消まで送れなくなる。

症状

  • 下肢の虚血
    …腸骨動脈、大腿動脈での異常により発生
  • 間欠性跛行
    …痛みで歩けなくなり、立ち止まると痛みが治まる

チェック問題再挑戦
丸の中の用語を答えてください。

1分間に心臓から押し出される血液量は約5~7ℓで、これを「〇〇〇〇」という。

解答…心拍出量

記事の最後に

循環器に関しては疾病について細かく問われるというより、循環器の仕組みを問われることが多いので、別記事、心と身体のしくみ基礎でご説明します。

基礎っていいますけど、いろいろややこしいので、そこも覚えるまで何度も繰り返しました。
「うぅ…まだ覚えられないか…」と自信をなくしていく日々でしたが、何度もやってるうちにホントになんとかなりますから、信じて繰り返してください。

何か良い問題はないかなと探していて思ったんですけど、過去問を見ていると、同じような問題ってやっぱり出てくるので、過去問はやっておいたほうがいいです。絶対!
特に、科目ごとに追っていくとわかりやすいので、試してみてください!

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3 Replies to “高齢者に多い病気と日常生活での注意点「かんたんまとめ」②「脱水、低栄養、循環器」”

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