認知症サポーター養成講座④ 【認知症の方への接するときの心構え】①

認知症サポーター

実際に認知症の方と接する際の注意点です。

日ごろ、身近に認知症の方と接している人は、
日々の会話を思い返してみて下さい。

接点の少ない方は、その場面を想定しながら、考えてみてください。

厚生労働省の資料を基に、自分の経験や、考察も踏まえ、ご説明していきます。

「認知症本人に自覚がない」
は大きな間違い

認知症の症状に、最初に気づくのは本人です。

もの忘れや、家事や仕事がうまくいかなくなる等の失敗体験が少しずつ多くなります。

何となくおかしい」と感じ始めます。

言われても思い出せないもの忘れが重なると、「何かが起こっている…」という
不安を感じ始めます。

しかし、ここから先は人それぞれです。

  • 認知症を心配して抑うつ的になる人
  • 周囲の人が自分を陥れようとしているのだと妄想的になる人

    など。

認知症になったのではないか、という不安は健康な人の想像を絶するものでしょう。
認知症の人は何もわからないのではなく

「誰よりも一番心配で、苦しくて、悲しい」

私の経験

このことがわかる私の経験をお話ししたいと思います。

認知症の方の、介護拒否

私が介護士としてまだ、駆け出しの頃
とても苦手なご利用者様がいました。

その方は

何を言っているか聞き取れなくて、
聞き取れても、
よくわからない事を言っている。

常に目を見開いている。

介護拒否もあり、
殴る、噛み付く
ご飯を食べない
食べることがあっても
介護者に、わざわざご飯を噴出す

今考えると、BPSDが著名に現れていたのがわかります。

私の心境

今から10年ほど前の、滅入ってたころの私。

その頃、毎日すごく怖かったし、頭にきてしまうことのほうが多かった。
本当に苦手で、心の底から嫌いでした。
介護という仕事自体ももう嫌だと思い始めてました。

当時はユニット型の特別養護老人ホームで、10人をほとんど一人で見ていました。

周りのスタッフも偉そうな人か、全然仕事しないか、ちゃんとやっててもいっぱいいっぱいになってる人か…

気の合うスタッフもいましたけど、階が違う、シフトが合わないとかでなかなか合えない。

上司に相談しても「人もいないし頑張ってよ」くらい。クズみたいでしょ?

休みもないし、タイムカードの操作もされて、残業してないことになってるし…

「誰にも頼れないし、誰も信用できない。」

ご利用者様の心境を知ることになる。

認知症の方の手紙

ストレスを抱えたまま、しばらく続けたんですよね。次を探しながら。

ある日、苦手だった方が、入院され、その後なくなりました。

お部屋の片づけをさせていただいているときに
タンスにメモが何枚もあったので、なにかいてたんだろ?くらいの軽い気持ちで読ませていただきました。

「自分が自分でなくなっていく感じがする」「自分でわからないことが起こってる」
「何をしているか、わからない」
「こわい」
「こわい、こわい、こわい」

何枚も同様の言葉が書いてあり、だんだん文字も文字でなくなっていき、線だけが少しかいてあるものに変わっていきました。

最後まで見て

自分が同じ状況だったらと思い、
申し訳ないことをしてしまった。
ちゃんと向き合えばよかった。
何かできること、考えることができたはずだ。

そう思い 、私は泣いてしまいました。

「一番怖いと感じていたのは、この方だった」

このときが、私の介護士として何ができるかを考えるようになる瞬間でした。

ひとつ付け加えると、メモといっても、ちゃんとしたメモ用紙じゃなくて、新聞折込のチラシの裏なんですよ。

「チラシの裏」ここからみなさん何を感じます?

自分の心境を

その場ですぐに残したかった。
誰かに伝えたかった。
気付いて欲しかった。
助けて欲しかった。

でも

誰にも言えなかった。

と、私はそう感じます。

「私は忘れていない!」
に隠された本心


インクルージョンさんによるイラストACからの無料イラスト 

現実には、

「私はもの忘れなんかない」
「病院なんかに行く必要はない」
と言い張り、家族を困らせています。

早く診断をし
「はっきりとした見通しを持って生活したい」
「本人を支えていきたい」
と願う家族にとっては
本人の否認は大きな困惑の元になります。

その他の事柄についてはまだまだ十分な理解力や判断力を持っているのに
自分の深刻なもの忘れに対してだけ不自然なほど認めない。

こういう人でも、もの忘れが尋常でないということはすぐにわかります。

「私は忘れてなんかいない!!」

「私が認知症だなんて!!」という
やり場のない怒りや悲しみや不安から
自分の心を守るための自衛反応なのです。

「認知症という病気になった人」の
本当のこころを
周囲の人が理解することは簡単じゃないです。

だって、私たちは認知症にも、疑いも経験していないんですから。

でも、「私は忘れてなんかいない!!」には

認知症の人の隠された悲しみの表現
であることを知っておくことは
本当に大切なことなんです。

周囲の人は、「こころのバリアフリー」を。

バリアフリー
イチゴエムさんによるイラストACからの無料イラスト 

足の不自由な人は、杖や車いすなど道具を使って自分の力で動こうとします。
社会はバリアフリー化が進み、手助けのいるときには援助を頼みます。

しかし、

認知症の人は障害を補う「杖」の使い方を
覚えることができません。
「杖」のつもりでメモを書いても
なんのことかわからなくなります。

認知症の人への援助には

障害を理解し、
さりげなく援助できる
「杖としての」が必要です。

交通機関や店など、まちのあらゆるところに、
温かく見守り援助をしてくれる人がいれば

外出もできる。
自分でやれる。

そういうことがずいぶん増えるでしょう。

こころのバリアフリー社会をつくることが
認知症サポーターの役割です。

かかわる人の心がまえ

認知症の問題は、

介護問題だと考えず、
だれでも自分や家族が
認知症になる可能性がある。と考えます。

認知症を理解したうえで、

自分だったらどう生き抜くか?

を考えてみてください。
そうすれば、認知症の人の支援が
より身近に感じられるはずです。

健康な人の心情がさまざまであると同じように認知症の人の心情もさまざまです。
また、こう考えることもできます。

「認知症の人」がいるのではなく、
「友達のAさんが認知症という病気になった」と

友人としてすべきことは、
「認知症の障害を補い
今までどおりAさんと付き合い続ける
ことです。

たまたま駅でまごまごしていたBさんは、認知症のために自動改札が通れない。
だったら、
ちょっと手助けをして
改札を通る手伝いをすればいい。

さりげなく、自然に、それが一番の援助。

参考ページ
厚生労働省HP「認知症の理解」

記事の最後に

介護士としては、もう一歩先にいきたいと私は考えます。
あるサイトの内容を抜粋してお話ししたいと思います。
ご興味のある方は読んでいただけると幸いです。

介護職は「考える杖」に。

介護の現場ではあくまで要介護者が主人公。
介護職は、状況を見て判断し、考え、行動することで、彼らに寄り添う杖となることが大切なのです。
そこには、想像力と創造力が必要であり、かつ、「人間とは一体何なのか」を考えさせられる面白くも深い世界が広がっています。
こうした考え方を伝えるため、アイコンは「杖」をモチーフとしました。
背中の曲がった要介護者のようにも見える一方、全体像で捉えれば元気に歩き出す姿に変化します。
また、中央に星を配置し、「希望ある仕事」を表現しています。

“介護の仕事”の価値を発信する考える杖プロジェクトがスタート!

考える杖という言葉は、私が介護士を始めた頃に読み始めた「ヘルプマン!」という、介護業界を題材にしたマンガで初めて目にしました。
もうだいぶ昔の事ですけど…

介護の業界に携わる方なら、一度は読んで欲しいです。

登場人物は介護にアツいし、毎回泣けます。
「自分今、ブレてるなあ」と思ったときの方向性をリセットできます。

ヘルプマン!!Vol・8 [ くさか里樹 ]

「介護」の「か」の字すら知らなかった大学生、恩田百太郎はひょんなきっかけで介護の現場へと足を踏み入れる。
そこで直面する現実と理想・・。残りの人生にほんのわずかな華を添えるため立ち上がった百太郎とその周りを取り巻く人々の珠玉のヒューマンストーリー。

追記

なんか、「杖になるんだ!助けるんだ!」と押し付けがましいのも嫌だなあ、とおもいまして、追記。

基本はそれでいい。
でも、助けてもらってもいいんですよ。
僕らの先輩、いろんな経験してるし、まだまだ、たくさんの可能性を持っていらっしゃるんでね。

「できることはやっていただく」
「頼れることは頼る」

助けてばっかりより、
助け合うほうが
人間らしいなって思いました。

「ヘルプマン!」が読みたい。

あわせて読みたい関連記事

グーペ】素敵なお店のホームページを作れます【低コストでホームページ作成】
https://greater-kaigofukushi-kaz.ssl-lolipop.jp/%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87%E3%82%B5%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E9%A4%8A%E6%88%90%E8%AC%9B%E5%BA%A7%E2%91%A0/
https://greater-kaigofukushi-kaz.ssl-lolipop.jp/%E4%BB%8B%E8%AD%B7%E7%A6%8F%E7%A5%89%E5%A3%AB%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E8%A9%A6%E9%A8%93%E3%80%80%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87%E3%81%AE%E7%90%86%E8%A7%A3%E3%80%8C%E3%81%8B%E3%82%93%E3%81%9F%E3%82%93%E3%81%BE/

スポンサーサーチ
大幅減量ダイエット
【早い者勝ち!】 あなたのお名前、残ってる?