人に優しくなれる【尿失禁】 高齢者に多い病気と日常生活での注意点 介護福祉士国家試験対策「発達と老化の理解 「かんたんまとめ」⑦

骨盤底筋トレーニング

「尿失禁」についてかんたんにまとめました。

尿失禁って介護士として働いていると、毎日のように聞くし、言ったりします。
「またか…」と思ってしまうこともありますでしょう?

ご本人たちは尿失禁したくてしているわけではないし、負い目すら感じてしまっている方もいらっしゃいます。

正しい知識を持って、理解することで、少し、優しくなれたらと思います。

尿失禁とは?

尿失禁とは、自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまうこと。

40歳以上の女性の4割以上の方が経験し、実際に悩んでいるといいます。
もちろん、女性だけでなく、男性にもあります。

介護福祉士国家試験に挑戦しながら、理解をしていきましょう。

介護福祉士国家試験に挑戦
第31回 問題72

 尿失禁に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。


1 認知症(dementia)で尿を漏らすのを、腹圧性尿失禁という。
2 トイレまで我慢できずに尿を漏らすのを、切迫性尿失禁という。
3 重い物を持った時に尿を漏らすのを混合性尿失禁という。
4 色々な原因が重なって尿を漏らすのを、溢流性尿失禁という。
5 前立腺肥大(prostatic hypertrophy)で尿を漏らすのを、機能性尿失禁という。


解答…2

尿失禁の種類

尿失禁の種類は大きく分けて4つあります。

類型状態傾向
腹圧性咳など、急に腹部に力が
加わると、尿が出てしまう
女性に多い
切迫性尿を我慢することが
できない
高齢者全般
溢流性少量の失禁が続く男性に多い
機能性トイレに行くまでに
時間がかかり失禁する
麻痺
機能低下
認知症

ひとつずつ見ていきましょう

腹圧性尿失禁

腹圧性尿失禁
さんによるイラストACからの無料イラスト 

お腹に力が入った時に尿が漏れてしまう尿失禁。
女性の尿失禁の中で最も多い

どんなとき?

重い荷物を持ち上げた時、咳やくしゃみをした時、むせてしまった時など。

なぜ?

骨盤底筋群という尿道括約筋を含む骨盤底の筋肉が緩むために起こる。
加齢や出産がきっかけで起こる為、女性に多い。

荷重労働排便時の強いいきみ、喘息なども骨盤底筋を傷める原因になるといわれています。

切迫性尿失禁

kotokotoさんによるイラストACからの無料イラスト 

切迫性尿失禁とは、急に尿がしたくなり(尿意切迫感)、我慢できずに漏れてしまう尿失禁。
外出中や乗り物に乗っている時などに困ります。

なぜ?

排尿のコントロールが、うまくいかなくなった時。

しかし多くの場合、特に原因がないのに膀胱が勝手に収縮してしまい、尿意切迫感や切迫性尿失禁をきたしてしまいます。

男性…前立腺肥大症
女性…膀胱瘤や子宮脱などの骨盤臓器脱

溢流性尿失禁(いつりゅうせい)

溢流性尿失禁とは、自分で尿を出したくても出せないのに、尿が少しずつ漏れてしまう尿失禁。

なぜ?

前立腺肥大症が原因で、男性に多い。

その他、直腸癌や子宮癌の手術後など、
膀胱周囲の神経の機能低下も原因になります。

機能性尿失禁

機能性尿失禁
ゆずあんさんによる無料イラストACからのイラスト 

機能性尿失禁とは、 排尿機能に異常はないが、身体運動機能の低下や認知症が原因でおこる尿失禁。

どんなとき?

歩行障害のためにトイレまで間に合わない
認知症のためにトイレで排尿できない

では、ここで介護福祉士国家試験過去問題に挑戦してみましょう。
先ほどと違う問題です。

介護福祉士国家試験に挑戦
第29回 問題106

Gさん(81歳、女性)は日常生活は自立していて、活発に活動していたが、最近外出することが少なくなった。理由を尋ねると、「くしゃみや咳(せき)をしたときに、尿が漏れてしまうことが多くなったから」ということだった。

Gさんの失禁の原因として、最も適切なものを1つ選びなさい。


1 神経疾患
2 骨盤底筋群の機能低下
3 水分のとりすぎ
4 膀胱(ぼうこう)過敏(かびん)
5 精神的な影響

解答…2

「くしゃみや咳(せき)をしたときに、尿が漏れてしまうことが多くなったから」 ことから、
腹圧性尿失禁だと考えられます。

腹圧性尿失禁の原因は、
骨盤底筋群という尿道括約筋を含む骨盤底の筋肉が緩むために起こる」

ので、2の 骨盤底筋群の機能低下 となります。

事例問題に取り組むと、考えるのが、以前は活発に活動していたのに、外出に消極的になってしまったんだなー、以前のように楽しんでもらいたなーと考えてしまいす。

介護福祉士国家試験当日も、というか問題解きながらちらつき、余った時間で考えてましたね、前、後半とも40分くらいづつ時間余っちゃったんで。

そうなると、どう対策をとっていくか?治療や、改善策が必要になります。

尿失禁の治療

骨盤低筋群トレーニング

腹圧性尿失禁には

  • 骨盤底筋訓練で外尿道括約筋や骨盤底筋群を強くする。
  • 肥満の方では、減量が有効なことがある。
  • 保存的療法では改善しない場合などは、手術という方法もある。身体への負担は少ないといわれています。

切迫性尿失禁には

  • 薬物療法が有効。
  • 飲水コントロール
  • 骨盤底筋訓練
  • 膀胱訓練(尿意を少し我慢する)

    などの行動療法を併用します。

改めて、介護福祉士国家試験挑戦しましょう。

介護福祉士国家試験に挑戦
第31回 問題72

 尿失禁に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。


1 認知症(dementia)で尿を漏らすのを、腹圧性尿失禁という。
2 トイレまで我慢できずに尿を漏らすのを、切迫性尿失禁という。
3 重い物を持った時に尿を漏らすのを混合性尿失禁という。
4 色々な原因が重なって尿を漏らすのを、溢流性尿失禁という。
5 前立腺肥大(prostatic hypertrophy)で尿を漏らすのを、機能性尿失禁という。

介護福祉士国家試験に挑戦
第29回 問題106

Gさん(81歳、女性)は日常生活は自立していて、活発に活動していたが、最近外出することが少なくなった。理由を尋ねると、「くしゃみや咳(せき)をしたときに、尿が漏れてしまうことが多くなったから」ということだった。

Gさんの失禁の原因として、最も適切なものを1つ選びなさい。


1 神経疾患
2 骨盤底筋群の機能低下
3 水分のとりすぎ
4 膀胱(ぼうこう)過敏(かびん)
5 精神的な影響

記事の最後に(まとめ)

  • 尿失禁とは、自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまうこと。
  • 尿失禁の種類は大きく分けて4つある。
  • 腹圧性、切迫性、溢流性、機能性。
  • 腹圧性は、お腹に力がはいった時。
  • 切迫性は、尿を我慢できない。
  • 溢流性は、尿が少しずつ漏れる。
  • 機能性は、身体機能低下などで起こる。
  • 骨盤底筋訓練などのトレーニングや、服薬、手術、環境を整えるなどで改善できる。
  • 尿失禁の種類や程度により、治療法は様々。
介護職求人

以前は外出に積極的だったのに、消極的になってしまったり、自信をなくして、意欲もなくしてしまうなど、尿失禁は生活の質を低下させてしまいます。

介護士としては、どうしたら、意欲的になってもらえるかな?とか、以前の生活を取り戻して欲しいなとか、ご本人様は本当はどうしたいのかな?と考え、その方が望む、その方に合った対応を考え、実行していくことが理想ですね。

その方ののことを正しく理解することで、「またか…」と考えず、どうしたらいいかな?と考えることで、優しくなっていけますね。

もし、尿失禁で困ったなと思っている方が見てくださっていたら、恥ずかしがったり、年齢的なこととあきらめたりしないでください。

介護士や、専門医、理学療法士などに相談して、積極的に外出して、外の刺激をたくさん受けましょう。認知症の予防にもなります。

参考ページ
日本泌尿器科学会HP「尿が漏れる・尿失禁がある」

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だれもが【骨粗しょう症】を学ぶことができる時代なのに…… 高齢者に多い病気と日常生活での注意点 介護福祉士国家試験対策「かんたんまとめ」⑥

骨粗しょう症

「骨粗しょう症」についてかんたんにまとめました。

今はいつでもどんなことでも、すぐに調べて、学べるのに、なんとなくで知ってる風で過ごしてしまいがちです。

骨粗しょう症って言いにくいし噛んじゃうし、大体わかってればいいか…

かくいう私はそのひとりでした…なんとなくで知っていた方、あらためて、一緒に学びましょう。

知らない方、知りたい方にもわかりやすくまとめていますのご参考になればと思います。

目次

  • 骨粗しょう症とは?
  • 骨も新陳代謝してるって知ってました?
  • 骨粗しょう症のリスクと原因は?
  • 介護福祉士国家試験過去問題に挑戦
  • 骨粗しょう症の薬物療法
  • 骨粗しょう症の予防法は?
  • 介護福祉士国家試験過去問題に再挑戦
  • 記事の最後に(まとめ)

骨粗しょう症とは?

脆弱性骨折の*骨密度の測定によって診断されます。
高齢者の中でも、女性が多い。
骨折を伴う場合は特定疾病になります。

骨密度…骨の単位面積(cm2)当たりの骨塩量(g)

骨も新陳代謝してるって知ってました?

骨は骨形成されると同時に破骨細胞によって骨吸収され、常に新しく作り直されるという新陳代謝を繰り返しています。

通常は骨吸収と新たな骨形成のバランスが保たれています。

骨粗しょう症では、骨の形成よりも、骨破壊が上回ってしまっている状態で、骨がもろくなっています。

骨粗しょう症のリスクと原因は?

骨粗しょう症

リスク

骨がもろくなり、骨折しやすくなります。
骨折により、生活の質(QOL)が低下します。

  • できていたことができなくなる。
  • 行動範囲が狭まる。
  • 認知症の発症。
  • 認知症の進行。
  • 寝たきりによる*廃用症候群の危険性。

*廃用症候群…長期間にわたって安静状態を継続することにより、身体能力の大幅な低下や精神状態に悪影響をもたらす症状。

骨折しやすい箇所

おもに腰椎大腿骨骨頭の骨で、腰痛や寝たきりの原因ともなります。

介護が必要になる原因にもなりますし、骨折が直接の要因でなくても、死につながるケースは少なくないので、治るでしょ?と安易に考えてはいけないです。

原因

  • カルシウムやマグネシウムの不足
  • ビタミンがバランスとれていない
  • 運動不足
  • カルシウムの利用効率が悪い
  • *「エストロゲン」の激減

エストロゲン…女性ホルモンで、骨の形成を活発にする。

ここで一度、介護福祉士国家試験過去問題に挑戦してみましょう。

介護福祉士国家試験
過去問題に挑戦
第28回より

骨粗鬆症(osteoporosis)予防に必要なビタミンK(vitamin K)を多く含む食品として、最も適切なものを1つ選びなさい。


1 . 牛乳 

2 . 卵 

3 . 豚肉 

4 . にしん 

5 . 納豆

解答…5

骨粗しょう症の薬物療法

効果
*骨吸収を抑える女性ホルモン製剤
カルシトニン
ビスフォスフォネート
骨形成を助けるビタミンK2
吸収と形成の調整ビタミンD3
カルシウム

骨吸収…骨が壊れること

骨粗しょう症の予防法は?

食事や運動などの生活習慣改善で予防できます。

食事

骨粗しょう症 食事
翠苔さんによるイラストACからのイラスト 

骨の健康のためにはカルシウムが重要で

カルシウムの吸収を促進するビタミンD
骨へのカルシウムの取り込みを助けるビタミンK

など、様々な栄養素も必要。

また、 大豆に含まれるイソフラボンは、エストロゲンに似た働きをしてエストロゲンの減少を補います。

エネルギーと栄養素を過不足なく摂取することが大切です。

  • 規則正しく、1日3食でバランスのよい食事
  • 適量の牛乳、乳製品

ビタミンDを含む食べ物

魚介類
卵類
きのこ類

ビタミンKを含む食べ物

納豆に非常に多い。
緑黄色野菜(小松菜、ほうれん草など)

* 血液の抗凝固剤を飲んでいる人には、納豆を避けるように指導されます。

運動

骨粗しょう症 運動

物理的な過重負荷が大きい者ほど骨密度が高いといわれています。
予防するためには、ウォーキングやジョギングのような重力のかかる運動が効果的だと考えられます。

急激な負荷は身体への負担にもなります。
安全に行う為に、整形外科医や、理学療法士さんなど、専門家に相談してから運動するようにしましょう。

改めて、過去問に挑戦してみましょう。

介護福祉士国家試験
過去問題に再挑戦
第28回より

骨粗鬆症(osteoporosis)予防に必要なビタミンK(vitamin K)を多く含む食品として、最も適切なものを1つ選びなさい。


1 . 牛乳 

2 . 卵 

3 . 豚肉 

4 . にしん 

5 . 納豆

記事の最後に(まとめ)

考察

繰り返しますが、高齢者にとっての骨折は、生活の質を急激に落としてしまいます。
介護の原因にもなりますし、死につながる要因にもなりかねません。

しかし、「転ばないで」「危ない」とか、言われるほうは、ストレスでしかない。
言うほうも、ストレスになる。

ストレスが溜まれば、お互い口調も荒くなる可能性も考えられるし、ストレスはいいことない。

転んでしまうのは仕方がない。
だって、私たちも転ぶことありますでしょ?
だから、転んでしまっても、大怪我につながらないような対策をする。

転ばないように環境を、自然な形で整えてあげれば、必要以上の注意喚起はしなくていい。

みんながもっと自然な形で、安全に暮らせるように、考えて欲しいと思います。

【カイゴジョブアカデミー】

まとめ

  • 高齢者の中でも、女性が多い。
  • 骨の形成よりも、骨破壊が上回ってしまっている状態で、骨がもろくなっている。
  • 骨折しやすくなる。
  • 生活の質(QOL)の低下。
  • 腰痛や寝たきりの原因。
  • カルシウムやマグネシウムの不足。
  • ビタミンがバランスとれていない。
  • 運動不足。
  • カルシウムの利用効率が悪い。
  • 女性ホルモンの激減。
  • 生活習慣改善で予防できる。
  • ビタミンDの多い食べ物
    「魚介類、卵類、きのこ類」
  • ビタミンKの多い食べ物
    「納豆、緑黄色野菜」
  • 過重負荷が大きい者ほど骨密度が高い。
  • ウォーキングやジョギングのような重力のかかる運動が効果的。

参考ページ
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト
e-ヘルスネット 骨粗しょう症

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【糖尿病】ってよく聞くけど、どんな病気? 高齢者に多い病気と日常生活での注意点「かんたんまとめ」⑤

糖尿病 介護福祉士国家試験

糖尿病とは?
糖尿病について「かんたん」にまとめました。

介護福祉士国家試験では頻出の「糖尿病」。
一体どんな病気なのか、解説していきます。

糖尿病とは?

糖尿病とは、 高血糖が慢性的に続く病気です。

インスリンというホルモンの不足などが原因によるもので血糖値の上昇を抑える働きが低下してしまうためにおこります。

血液中の糖が尿にあふれ出て、甘い匂いがすることから、「糖尿病」という名前になっています。

種類がある?

糖尿病には1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、その他、があり、多くは2型です。

1型2型
発症年齢若者成人~高齢者
発症急激緩やか
インスリン欠乏不足
治療インスリン注射①食事・運動療法
②血糖降下薬

糖尿病の疑い、疑いを否定できない方を合わせ
成人の6人に1人、約1870万人いるといわれています。

糖尿病の要因は?

遺伝型要因と、環境要因があり、特に2型では
環境要因で、 過食や運動不足などの生活習慣に起因するものが多い。

見逃してはいけない 10の糖尿病の初期症状

糖尿病の3大合併症とは?

糖尿病が進行すると、自覚症状のないまま合併症を引き起こします。
神経症、網膜症、腎症の合併を引き起こすします。

介護福祉士国家試験に挑戦
第30回 問題47より

糖尿病(diabetes mellitus)のある利用者の入浴時に,特に注意して観察すべき皮膚の部位として、適切なものを1つ選びなさい。

1.A
2.B
3.C
4.D
5.E

解答…5

合併症ポイント
①神経症・自律神経症状
・末梢神経症状
②網膜症・初期は無症状
・中途失明の危険
③腎症・人工透析導入の危険

また、長い時間をかけて血管を傷つけていく為、動脈硬化を引き起こし、脳卒中、虚血性心疾患などの心血管疾患の発症リスクも高まってしまいます。

神経症

糖尿病 神経症
poko pocketさんによるイラストACからのイラスト 

末梢神経を障害します。

手足がしびれたり、痛みの感覚が鈍くなり
ケガをしても痛みを感じないため、気がつくのが遅れます

そのため、感染症を引き起こし、悪化すると壊疽になりやすく、場合によっては足の切断をよぎなくされます。

介護福祉士国家試験に再挑戦
第30回 問題47より

糖尿病(diabetes mellitus)のある利用者の入浴時に,特に注意して観察すべき皮膚の部位として、適切なものを1つ選びなさい。

1.A
2.B
3.C
4.D
5.E

解答…5

抹消神経の障害により、足先のケガに気付いていない可能性があります。
感染症により壊疽してしまう可能性があるので、手足の先に特に注意する必要があります。

網膜症

  • 網膜の毛細血管を傷つける。
  • 最終的には失明にいたる。
  • 網膜症は、日本人の失明原因の第2位
  • 早期発見であればすぐに失明してしまうわけではない。

腎症

人工透析 糖尿病
りゅりゅさんによる無料イラストACからのイラスト 

  • 腎臓の糸球体という毛細血管を傷つける。
  • 最終的には腎不全になり、人工透析が必要になる。
  • 進行すると、水分制限など、多くの生活制限が出てくる。
  • 人工透析の原因は糖尿病腎症が最も多い。

糖尿病の治療

chachaさんによるイラストACからのイラスト 
りゅりゅさんによるイラストACからのイラスト 

糖尿病の治療は、食事療法と運動療法が基本。
しかし、食事療法と運動療法でも、良好な血糖コントロールが実現できないことがあります。

合併症の発症や進行を抑えるために、薬物療法を開始します。

  • 運動療法
  • 食事療法
  • インスリン療法
  • 服薬療法

介護福祉士国家試験に挑戦
第30回 問題102より

Dさん(75歳・女性)は、介護老院福祉施設に入所している。糖尿病(diabetes mellitus)があり、インスリン療法を受けている。2日前から風邪をひいて、食事量が普段の半分程度に減っていたが、医師の指示どおりインスリン注射を継続していた。介護福祉職が調書億をDさんに渡したところ、顔色が悪く、「胸がどきどきして、ふわふわする」と話し、額には汗が見られた。
 考えられるDさんの状態として、ただちに医療職に相談しなければならないものを1つ選びなさい。
1 発熱
2 脱水
3 低血糖
4 貧血
5 意識障害

解答…5

介護福祉士国家試験に挑戦
第29回 問題76より

Aさん(79歳、女性)は、介護老人福祉施設で生活している。糖尿病(diabetes mellitus)でインスリン治療が必要で、1日に一度、昼食後に自己注射をしていて、併せて毎食直前に血糖を下げる薬を内服している。医師からは血糖のコントロール状態は良好であると言われている。ある日、Aさんの医療機関の受診が長びいた。B介護福祉職が、Aさんに遅めの昼食をとってもらう準備をしていると、Aさんが「頭がふらふらする」と訴えた。冷や汗もかいているようである。B介護福祉職によるAさんへの対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。


1 昼食をとらずに、すぐにベッドで休んでもらう。

2 昼食前の内服薬をすぐに飲んでもらう。

3 すぐに看護師に血糖を測定してもらう。

4 すぐにインスリン(insulin)を自己注射してもらう。

5 様子を見る。

低血糖ってなに?

通常、血糖値は100mg/dL前後を維持しています。(約70-140 mg/dLの間)
しかし、糖尿病患者さんは、一定の量を保てません。

高血糖を押さえるための薬が効きすぎたり、食事をしない時間が長くなったりして、低血糖を引き起こします。

低血糖の症状

意識障害や昏睡を引き起こすことがある。
心疾患や、認知機能低下を起こしやすくなる。

イラスト:低血糖の代表的な症状

介護福祉士国家試験に再挑戦
第30回 問題102より

Dさん(75歳・女性)は、介護老院福祉施設に入所している。
糖尿病(diabetes mellitus)があり、インスリン療法を受けている。2日前から風邪をひいて、食事量が普段の半分程度に減っていたが、医師の指示どおりインスリン注射を継続していた。介護福祉職が調書億をDさんに渡したところ、顔色が悪く、「胸がどきどきして、ふわふわする」と話し、額には汗が見られた。
 考えられるDさんの状態として、ただちに医療職に相談しなければならないものを1つ選びなさい。
1 発熱
2 脱水
3 低血糖
4 貧血
5 意識障害

解答…3

低血糖への対処

低血糖の症状を感じたらすぐに、ブドウ糖を10g、あるいは砂糖20gをとるか、同等の糖分を含む市販飲料を飲む。

低血糖はいつ、どこで起こるかわからないので、ブドウ糖をつねに携帯しておくことが大切です。

家族や周りのひとにも、低血糖の症状や、対処法を知ってもらいましょう。 

問題の分解・整理

問題を分解し、整理していきましょう。

Aさん(79歳、女性)は、介護老人福祉施設で生活している。糖尿病(diabetes mellitus)でインスリン治療が必要で、1日に一度、昼食後に自己注射をしていて、併せて毎食直前に血糖を下げる薬を内服している。医師からは血糖のコントロール状態は良好であると言われている。ある日、Aさんの医療機関の受診が長びいた。B介護福祉職が、Aさんに遅めの昼食をとってもらう準備をしていると、Aさんが「頭がふらふらする」と訴えた。冷や汗もかいているようである。B介護福祉職によるAさんへの対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。


1 昼食をとらずに、すぐにベッドで休んでもらう。

2 昼食前の内服薬をすぐに飲んでもらう。

3 すぐに看護師に血糖を測定してもらう。

4 すぐにインスリン(insulin)を自己注射してもらう。

5 様子を見る。

  • 糖尿病(diabetes mellitus)でインスリン治療が必要
  • 1日に一度、昼食後に自己注射
  • 毎食直前に血糖を下げる薬を内服
  • 医師からは血糖のコントロール状態は良好であると言われている
  • ある日、Aさんの医療機関の受診が長びいた。
  • 遅めの昼食をとってもらう準備
  • Aさんが「頭がふらふらする」と訴えた
  • 冷や汗もかいている

上記の事から、食事を召し上がるまでの感覚が長くなり、低血糖を起こしている可能性が高いと判断できますので、食事を摂らないは不適切です。

しかし、血糖コントロール状態が良好であることからも、低血糖と断定はできません
そのため、インスリンの自己注射や、服薬をすぐに促すのは適切ではないです。

まずは、「看護師に報告し、血糖値を測定してもらう」が適切です。

糖尿病の早期発見と予防

早期発見

自覚症状に乏しい病気の為、発見が遅れてしまう可能性が高いです。

老人保健事業による基本健康診査、職域での定期健診、病院・診療所での健診等、様々な機会をもって行われているので、活用しましょう。

予防

糖尿病の発症危険因子は
1)加齢
2)家族歴
3)肥満
4)身体的活動の低下(運動不足)
5)耐糖能異常(血糖値の上昇)

すぐに取り組める発症予防は、生活習慣病改善です。

「肥満の回避」
「身体的活動の増加」
「適正な食事」

高血圧、高脂血症や、脳卒中・冠動脈疾患などの心血管疾患の予防対策にもなります。

記事の最後に(まとめ)

  • 糖尿病とは、 高血糖が慢性的に続く病気。
  • インスリン不足などが原因。
  • 尿病には1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、その他、があり、多くは2型。
  • 遺伝型要因と、環境要因がある。
  • 過食や運動不足などの生活習慣に起因するものが多い。
  • 進行すると、自覚症状のないまま合併症を引き起こす。
  • 神経症、網膜症、腎症の3大合併を引き起こす。
  • 脳卒中、虚血性心疾患などの心血管疾患の発症リスクも高まる。
  • 手足の先に痛みを感じない為、ケガによる感染症に注意
  • 腎不全による人工透析や、失明の危険性がある。
  • 治療の基本は運動療法、食事療法。
  • 運動、食事療法で血糖値が維持できなくなったら、インスリン療法、服薬療法を開始。
  • 高血糖、低血糖を引き起こす。
  • 低血糖では意識障害や昏睡の危険。
  • すぐに取り組める予防は、生活習慣改善。

参考ページ
Novo Nordisk Pharma HP「糖尿病サイト
厚生労働省HP「糖尿病

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