認知症サポーター養成講座⑧ 【認知症の方への基本姿勢】② 具体的な対応の7つのポイント

認知症サポーター

「認知症の方への基本姿勢」具体的な対応の7つのポイントについて解説します。

認知症の方への心得3つの「ない」】を実行する為に、具体的にどのようにしたらいいか、ご説明します。

7つのポイントとは?

studiographicさんによる写真ACからの写真 
  1. まずは見守る
  2. 余裕をもって対応する
  3. 声をかけるときは1人で
  4. 後ろから声を掛けない
  5. 相手に目線を合わせて、優しい口調で
  6. 穏やかに、はっきりした話し方で
  7. 相手の言葉に耳を傾けてゆっくり対応する

1つ1つ解説していきます。

1.まずは見守る

むらいえさんによるイラストACからのイラスト 

認知症だと思われる方に気づいたら、本人や、他の人に気づかれないように

一定の距離を保ち
さりげなく見守ります

近づきすぎたり、ジロジロみたりしてはいけません。私たちも、ジロジロ見られたらいい気はしないですよね。

あくまで、さりげなく。

2.余裕を持って対応する

余裕を持つ
kommyさんによるイラストACからのイラスト 

こちらの動揺や、焦り、イライラは、認知症の方には特に伝わりやすく、相手にもうつってしまいます。

自然な笑顔で対応してください。

3.声をかけるときは1人で

kotoneさんによるイラストACからのイラスト 

何人も大勢で囲むと、恐怖を覚えてしまいます。これは、私たちもそうですよね。
できるだけ1人で声をかけます。

できるだけというのは、認知症の方が、不安から興奮され、危険な状況になる場合があるので、その際は、無理をしないでください。

4.後ろから声をかけない

後ろから声をかけない

一定の距離で、相手の視野に入ったところで声をかけます。
突然、声をかけらると、

驚いて、動揺したり、興奮されてしまいます。
また、バランスを崩し、転倒の危険もあります。

「こんにちは、どうされました?」
「なにかお困りですか?」

相手に、自分の存在を気づいてもらってから、お声をかけましょう。

5.優しい口調で

優しい口調
麦さんによるイラストACからのイラスト 

できるだけ、優しい口調を心がけてください。
そして、笑顔でお話ししてください。

認知症の方は、不安の中にいます。
その不安感を取り除いて差し上げられるような口調、笑顔が必要となります。

6.穏やかに、はっきりした話し方で

穏やかに、はっきり
acworksさんによるイラストACからのイラスト 

高齢者は耳が聞こえにくい方が多いので
ゆっくり、はっきりとお話しするように心がけてください。

お坊さんや、神父さんをイメージできるとわかりやすいですかね?お坊さん、神父さんもそれぞれですけどね。

早口、大声、甲高い声は動揺や、混乱、恐怖を覚えてしまう可能性があります。

その方の慣れ親しんだ方言などでのコミュニケーションも、安心感、親近感を生み出せます。

7.相手の言葉に耳を傾けてゆっくり対応する

くりまんさんによるイラストACからのイラスト 

たどたどしくても、ゆっくり聴いて
相手の反応をうかがいながら

何をしたいのか?何を伝えたいのか?

相手の言葉を使って、推測・確認をしていきます。

また、認知症の方はせかされたり、複数の質問に答えることも苦手なので、3つの「ない」の急がせないを意識して、ゆっくり対応してください。

記事の最後に

ではあらためて、7つのポイントを見ておきましょう。

  1. まずは見守る
  2. 余裕をもって対応する
  3. 声をかけるときは1人で
  4. 後ろから声を掛けない
  5. 相手に目線を合わせて、優しい口調で
  6. 穏やかに、はっきりした話し方で
  7. 相手の言葉に耳を傾けてゆっくり対応する

7つをみてお分かりかと思いますが、
基本的な意識としては

「不安感を取り除いてあげる」ことではないでしょうか?

認知症の方は、「ここがどこかもわからない」、「周りには知らない人だらけ」の状態であることが多いです。

私たちだって、目が覚めたとき知らない場所にいたら、怖いですよね?

常にと言ったら、言い過ぎかもしれませんが、少なくとも私たちより、多くの不安にさらされていることには違いありません。

そのため、まず、安心していただくこと

が重要になります。

地域の目として

「不安なんだから助けてあげなきゃ!」と肩肘を張る必要はありません。
むしろ、その意気込みが、認知症の方を圧迫してしまう可能性もあります。

「認知症の方は不安要素が多いんだな」と理解していただき、さりげなく、やさしく声をかけてくださるだけでも、見守っていただくだけでも充分だと思います。

「いやいや、私がなんとかしたい!」と思ってくださる方がいたら、私たちと介護職をやっていただけるとうれしいです。

介護職としてぜひ、一緒に働き、地域を変えていきましょう!

介護士として

業務の最中、忘れてしまいがちなポイントでもあるかと思います。

なにか、迷ったり、困ったことがあったら、一度立ち止まって、振り返ってみてください。

明らかに、変わることがありますから。

経験が長ければ、なんでもできるわけじゃない。
経験が短いから、なにもできないわけじゃない。

その方のありのままを受け止めて
その方らしさを大切にして
その方に寄り添う

その気持ち、想いが
いい介護士、できる介護士になる基本的要素
だと、私は考えます。

その想いがある方は
新卒さんだって
今日始めたばかりの方だって
明日から始める方だって
若くたって
若くなくたって

「いい介護士、できる介護士」です。

自信もって、胸張ってくださいね!

そして、そんな想いを持っている、アツい方と私は一緒に働きたいし、変えて生きたい。

認知症の方、ご高齢の方が安心して過ごせる街を創っていきましょう。

想いに共感してくださった方がいらっしゃいましたら、ぜひ、コメントいただきたいです。
よろしくお願いします。

介護福祉士 華珠, プロフィール

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認知症サポーター

【認知症の方への基本姿勢】
3つのポイントについてご説明していきます。

様々な症状の認知症。接し方の中で、共通して言えるポイントは3つあります。

認知症の方への対応心得
3つの「ない

  1. 驚かせない
  2. 急がせない
  3. 自尊心を傷つけない
驚かせない

1.驚かせない

驚かせない

驚きのあまり、
「助けてー!」「連れてかれる!」など興奮されてしまうことがあります。
場合によっては「殺される!」となり、手を出されてしまうこともあります。

また、びっくりした衝撃で、バランスを崩し、転倒されてしまうこともあります。

認知症の方は、自分の置かれている状況の把握が困難ため、不安な心境です。

驚きから、恐怖を覚え、予想していない行動をとられますので、驚かせないようにして差し上げてください。

2.急がせない

急がせない

理解力、判断力、実行機能、運動能力などの低下が見られるため、思い通りにスムーズに行えません

急がせてしまうと、焦ってしまい、よけい、できなくなってしまうどころか、意欲も失ってしまう可能性があります。

急がせずゆっくり待ち、必要であれば、声をかけたり、少し手助けをすることで、時間はかかりますが行えます。

一緒にやるという心づもりで、ゆとりを持って接して差し上げてください。

3.自尊心を傷つけない

自尊心を傷つけない

認知症だから、「何もわからない」「すぐ忘れる」んでしょ?じゃあ、何言ってもいいよね?は間違いです。

  • 認知症があっても、感情があり、一人の人間、その方ひとつの「個」です。
  • 偏見、差別をしないことはもちろんの事、敬うべき、人生の先輩です。
  • ご本人が一番、混乱し、不安なんです。
    大きなストレスを抱えています。
  • できないことが多くなりますし、失敗も多くなり、問いかけへの返答も遅くなりますが、赤ちゃんではなく、時代を作り、支えてきた方々です。
  • 失敗を責めたり、子ども扱いはしないでください。

記事の最後に

認知症の人への対応

  • 認知機能の低下があることを理解し、偏見を持たない。
  • 認知症は自分たちの問題という認識を持ち、支援するという姿勢が重要。
  • トラブルが生じた際には家族と連絡を取り、相手の尊厳を守りながら、冷静に対応。
  • 普段から住民同士が挨拶や、声かけを意識し、日常的にさりげない言葉をかけることが、いざというときに役に立ちます。

あらためて、
3つの「ない」を見ておきましょう。

  1. 驚かせない
  2. 急がせない
  3. 自尊心を傷つけない

私たちがされたら、嫌なことは、
認知症の方でも一緒。」

ということを、覚えておいてください。

驚きについて

感動
わたなべたかしさんによるイラストACからのイラスト 

でもですよ、

私は、感動を与える、喜んでいただく為の驚きは必要だと思っていて、常々考えています。これをしたら、喜んでくれるかな?びっくりしてくれるかな?って。

この、驚きは許してもらえませんか?

実際に、「びっくりしたよ、うれしかった。」と喜んで、泣いてくださる方もいました。
もらい泣きしそうになることもしばしば。

急がせないに関して

会計待ち
acworksさんによるイラストACからのイラスト 

コンビニとかで会計待ちしていて、ご高齢の方がいたら、そのうしろにすかさず並ぶようにしています。
混みそうだなと思ったらなおさら。

これ、有名人の方がやってるって聞いて、すぐに真似したんですけど、どういうことかというと、

ご高齢の方が、会計時に小銭を出すとかで手間取って時間がかかることがあって、後ろの人たちが、「おっせーな、早くしろよ」感を出してくるわけですよ。

ご高齢の方のすぐ後ろに立つことで、少しだけ壁になって差し上げる。
その方が、たまに振り返って「すいません」と言ってきますが、「大丈夫っす、ゆっくりでいいですよ」って笑って返します。

「ありがとう」と安心してくださいます。

なんなら、「大丈夫じゃねーよ」っていうヘイトが私に向くんで、しめたもん(笑)
世の中自分の思い通りに回ってると勘違いすることもありますよ(笑)

自尊心を傷つけない

kotoneさんによるイラストACからのイラスト 

正直にいうと、トラブルがあったり、偉そうに何か言われたりしたら、ムカッとくることはありますよ。そりゃあ、ありますよ。

私たちだって、人間だもの。

どうしても自分の怒りが収まらなそうなときは、無理せず、一旦引いて、その場から離れて、その方の生活歴や、ご家族様のことを想像します。

「家族を守る為に必死に生きてきた方なんだよなー」とか、「家族のために、部下のために、社会のために、我慢してきたこともたくさんあったんだろうなー」とか、考えます。

そうすると、落ち着くことができます。

また、馴れ過ぎてしまうと、言葉遣いもなあなあになって、友達みたいになってしまい、気づくと自分より下のように接してしまう方を見かけます。

親近感が沸きすぎて、時折、出てしまう、いわゆるタメ口はみたいなものは仕方がないかなと思いますが、基本的には敬う気持ちを意識して欲しいです。

そもそも、昔からの知り合いとか、友達だったら話は別ですよ。
急によそよそしくなったと、落ち込まれてしまう可能性がありますから。

繰り返しますが

頭にきてしまったときや、馴れなれしくなっているなと感じたら

一旦、引くこと。
その場から離れること。

だと、私は思います。

「その方らしさを考える、その方に寄り添う」

ことが、自尊心、尊厳を守る為の、
基本的意識になるので、大切にしてください。

このことについては別記事にてお話しします。

以上、私事でした。

みなさんおつかれさまでした。
いつもお読みいただきありがとうございます。

介護福祉士 華珠, プロフィール

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認知症サポーター養成講座⑥【家族の気持ちの変化】

認知症サポーター養成講座

認知症の方のいる
ご家族様の気持ちの変化

認知症の方のいる、ご家族様の気持ちの変化について触れていこうと思います。
ご家族の気持ちの変化を知ることで、間違った接し方をしないように心がけることができます。
優しく見守っていただきたいと思います。

戸惑い・否定

ご家族の異常な行動に、戸惑いを覚えます。

「えっ、何してるの?」
「冗談でやってるんだよね?」

と、戸惑ったり、

「認知症のはずない。」
「昨日まで、ちゃんと話しできたのに。」
「他の病気だろうし、すぐ治るよね。」

と否定をします。

診断を受け、頭では解っていても、受け入れることができません。

他の家族に打ち明けることもできず、一人で悩んでしまいます。

認知症についての情報を集め始める時期だともいえます。

混乱・怒り・拒絶

認知症について少し理解が進むものの
どう対応していいかわからない。

「誰にも、言えない、自分で何とかしなきゃ」

「本や、セミナーに行って実践したけど、全然よくならない…」

と、知識、経験の不十分さから混乱されます。

「どうして自分がこんな思いをしなければならないの…」

認知症の方が、家族の気持ちはわからないまま
過ごされているのをみて、ご本人に対して

怒りを覚えてしまいます。

「嫌だ、違う人だ」とご本人を拒絶し

周囲で気づいた方に「だいじょうぶ?」と、手を差し伸べられても
「違う、うちは違う、ほっといて」と拒絶されます。

何をしても、どうにもうまくいかないと
追い込まれ、疲労困憊してしまう

最もつらい時期だといえます。

社会資源の活用がとても重要。

オレンジカフェや、認知症家族の会などに参加して、自分だけがつらい思いをしているんじゃないんだ

と気づいていただき、心にゆとりができるよう

周囲の協力が必要です。

割り切り・あきらめ

認知症のトラブルに怒ったり、イライラしても仕方ないと割り切れるようになります。

「根本的な治療はない、進行していくものなんだ、認知症とうまく付き合っていくしかないんだろうな…」と。

「他のお家でも、こんなに苦労しているのかな?」とか
「認知症がなかったら、今、自分は何をやっていたんだろうな」とか

他の方や、過去の生活との比較もしてしまいますが、

そうして、少しずつ、
認知症を受け入れる時期だともいえます。

受容

認知症に対する理解が深まり、
認知症になった家族を

ありのままで、受け入れられるようになります。

認知症になっても、家族であることは変わりません。

認知症になっても、泣いたり、笑ったりします。

自分の家族は、感情豊かに、生きているんだな

って、

育ててくれた
いつも味方だった
いつも優しかった
いつも厳しかった

いつでも自分の為ならと、守ってくれた

「今度は、私が返していくんだ!」

と、感じて、前向きになります。

ステップの繰り返し

家族の気持ちの変化

そのまま、順番にステップ1~4に進むわけではありません。ステップ1から2になり、また、1に戻る。
ステップ4から、また1に戻る。
同じステップから進めない。

など、いろんなステップを行き来し、でも、少しずつ、受容をしていくことができます。

ゆっくり、一緒に生きていくことを感じていけるようになります。

記事の最後に

地域の目として

地域の方の目としては、ご家族がいろんな悩みを抱えていることをわかっていただければと思います。

悩んで苦しんでいて、いつもと違うご様子がみられるかもしれません。

そんなとき、「何あの人?」と思わず、気持ちを理解して、見守っていただきたいのです。

「追い込まれて、感情の表現がうまくできていないのかもしれない」とわかっていただきたいのです。

特別何かしていただくことはないですが、

「最近どう?」
「たまには、一緒にご飯でもいく?」
「何か困ったことがあったら、話しくらい聞くよ」

みたいな声をかけてくれるだけでも
ありがたいです。

状況によっては「ごめん、それどころじゃない」といわれるかもしれません。
でも、いつか、ふとした瞬間に救いになることだってあります。

地域全体で、見守る。

そんな街づくりをしていきたいと私は考えます。

ちなみに、私は今

千葉県 千葉市 稲毛区

にいます。

共感していただいた方
ご協力いただける方
実際、困っていて相談したい方

いらっしゃいましら、コメントなどいただけると、ありがたいです。

介護士として

ご家族様の気持ちを理解、共感し、
我々が、ご家族様を受容して差し上げる必要があります。

認知症はパターンはあるけど、当てはまらないことのほうが多く、千差万別。
ベテランの介護士でも、一人じゃどうしようもできないものです。

一緒に考えていきましょう。

と『一緒に考える』を伝えることで、
「一人で悩まなくていい」ことと、
「他人に丸投げしていない」こと
「肩肘の力抜いてもらう」ことを
わかっていただければと思います。

誰かに託すは、見放したと思い、自責の念に駆られることもあるでしょう。

だから、一緒に考えるは大事なんです。

「プロなんだから、あんたたちでどうにかしろよ、金払ってるんだから」といわれる方もいます。

「わかりました」と引き下がるのは違います。

ご家族様に見せる笑顔とか、家族のためにという、気持ちとか、 我々、介護士がどんなにがんばったって、 引き出せるもんじゃない。

家族の顔を見たいし、家族の言葉が声が聞きたいし、そもそも、ホントは一緒でないといけないんです。

でも、そのご家族間に、何か事情があるのかもしれません、そのときは、一旦引き下がります。

一旦ね。

少しずつ、時間をかけて、距離を近づけるよう、私たちは、多職種と連携し、取り組んでいく。

言うのは簡単なんですけどね、思い通りにならいないし、想いはあるのに、自分自身が思うように動けないそんなこともある。

やっぱり、自分ひとりでは、難しい。
みんなに協力してもらうことが重要です。

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